変動金利の壁
これは壁 Advent Calendar 2025の記事です。数年前、壁 Advent Calendar 2021の住宅購入の壁 前編と後編を4回ほど読み、注文住宅の施工業者に窓ガラスと断熱材の重要性を何度も熱弁され、QoL重視だと思って住宅ローンを組んで家を建てた。
住宅ローン
住宅ローンの返済について簡単に説明すると、借りた金額の一部(元金)と利子を合わせた返済額を毎月支払う。 利子を計算する際の金利には大きく分けて変動金利と固定金利と呼ばれる2種類ある。
- 変動金利:銀行が設定する短期プライムレートによって金利が変動
- 固定金利:契約時の金利で固定
固定金利は、返済計画が立てやすいが、変動金利よりも金利が高い状態がずっと続いていた。契約時もほとんどの人が変動金利にしていると担当者も言っていたし、「誰が使うんだろう?」と思って変動金利にした。 また、収入が銀行が求めるほどなかったので、元金額を減らしやすい元金均等返済ではなく、月々の返済額が固定の元利均等返済で契約した。
その後、住宅ローン契約後に日銀が金利を上げたので、私の契約した銀行も変動金利は2023年から2度上がっていて、返済額における利子は当初の約3倍になった。 こうなると、契約時の返済計画よりも金利が上がったため、元金分の減りが当初の返済計画より遅くなるので、帳尻をあわせるために月々の返済額を上げる必要がある。のだが、返済額が急に上がらないように5年ルールと125%ルールという壁によって守られている。
- 5年ルール:借入から5年ごとにその時の金利を元に月々の返済額を再計算する。今回の場合は金利が上がってるので、返済額が増える。
- 125%ルール:5年ルールで返済額が上がる場合、返済額の上限は従来の125%までとする。
というわけで変動金利の住宅ローンを使っていると、以下のようなデメリットがある。
- 2つの壁によって、元金が減りにくい
- 金利上昇のニュースにビクビクする
メリットとして、 固定金利の契約している友人に対して
- 煽られたり、イジってもらえる
- 「金利固定は変化しなくてつまんなくない???!!!」と言える
などがあります。
転機
現代は不確定要素が多く、これからの人生のことを考えると理想から遠いところに無理して住んでることを自覚してきた。詳しいことは、会った時に聞いてほしい。荷物は1ルームに収まる。リモートワークは思ったよりも流行らなかったし、オフィス回帰の流れすら感じる。何かと都会に出ることも多い。築浅の注文住宅を手放すときである。
不動産業者選び
家を買ってくれる方を個人で見つけることはほぼ不可能なので、不動産業者に仲介していただき買主を探すことになる。不動産売買は買主と巡り合うまでに数ヶ月単位で時間がかかってしまうので、早急に現金化したい場合には業者に買い取ってもらえるが、安い金額での売却になりやすいらしい。限界集落や都会だとまた状況は違うかもしれない。
物件の無料査定を業者に依頼し、査定額や販売戦略を提案を受けて、業者を選定する。業者ごとに売主買主へのサポートが異なるのだが、重視した方が良いと思ったのは、担当者との相性である。こちらの要望を踏まえつつ、現実的な売却計画を提案してくれる、ガツガツしてない担当者が自分には合っていた。 給与体系のせいなのか、そうでない営業が多そうで、契約のために査定額を高めに出したり、こちらの要望は最初は聞くふりをしつつ短期的に売る計画を語たり、こちらが事実か確認しようがない営業トーク、他社下げ、AI査定など色々なそれらしいことを言ってきたりするので、生成AIに相談しながら慎重に決めていくことになる。
建売物件は、建物と土地から査定が機械的に出せてしまうのだが、注文住宅は性質上難しく、設備のグレードが良くてもそれ以外の要素が好みに合わなければ、買い手には響かず、むしろマイナスになってしまう。結果として価格を建築時より大きく下げなければ売りにくい。お金をかけた当事者が付加価値のあるような優れた不動産だと思っていても、それは他の人にとってはマイナスになりうる。平均的であるほど使いやすく売れやすい、よく聞く話である。もちろん、相場よりも非常に高い金額で売りに出せるのだが、買い手も真剣で周囲の物件と比較して買うことになるので、よほどのことがない限りは、周囲の相場に合わせなければ売れないし、不動産の営業も説明しにくいだろうと心から思う。そういうわけでだいぶ損する価格で売りに出すことになる。売りに出してからも、反応が悪ければ価格を下げていく。
その後の話もいろいろあるのだが、長くなってきた。2年後にお会いしましょう。