怪文書2022

Kento Nozawa
28 April 2022

どなたかの参考になれば幸いです。

私について

機械学習の理論寄りの研究をしている博士後期課程の学生(博士課程在学年数:4.5年見込み)です。職歴・学歴・研究業績はこのページの右上にある CV (PDF) 、開発系は GitHub にある通りです。自己評価は「中途半端」です。

研究活動を続けたかったので、研究者ポジション(≒論文が投稿できるポジション)で探しました。

考慮した点

おおよそ以下のことを気にしていました。

  • 共同研究が可能か(国内・国外)
  • 同僚になる方々が、定期的に論文を国際会議等に通っているか:誰もいないのは無理だと思ったので避けました
  • 待遇(金銭面):アカデミアであれば、学振+RAの給与(月30万円-学費)以上をいただけるか。企業であれば、インターンした時の給与(約月40万円)くらいは最低限欲しいと思っていました
  • チームの規模:自分含め2人以下でなければ、気にしていませんでした
  • 任期:1年などあまりにも短くないか
  • 業務内容なりが自分が使っているサービス・興味に関連することか

アカデミア vs 企業

この対立についてあまり知らないのですが、私の専門分野に関しては、その気になれば差は少ないようにも思いました。私は学生指導的な活動も自分の勉強になるので、好きです(東大の情報科学科の演習Ⅲで学部生のスライドに全部コメントつけたり研究室の人がarXivあげたら頼まれてもないのにタイポを探しに行ったりする程度です)。一方で企業に勤めていても、例えばインターン生と一緒に仕事ができるので、そこまで違いは感じませんでした。

学生として国内の大学とパートタイムとして国立研究開発法人で数年単位過ごしたので、企業の研究所での活動も興味があり、今回は主に企業でのポジションを探しました。また、研究予算が数回続けて取れなかったので、その点も少し嫌になった節があります。

研究テーマの自由度は、アカデミアの方があるのかもしれません。これは個人の興味にもよりますし、研究予算の proposal と似て、企業でも交渉次第でできる気もしたのであまり良くわかりません。

就職活動の細かい話など

フルタイムのポジションは、5社受けました。2つ書類で落ち(LINE, GitHub)、1つ一次面接で落ち(リファラルありの PFN)、1つ最終面接で落ち(Leapmind)、1つ内定をいただけました。

インターンについては博士課程在学中に12回応募し、11回落ちました。1回だけ国内でオファーをいただけましたが、その後に腱鞘炎がひどかったこともあり辞退しました。すいませんでした。

研究職

「研究」や「リサーチ」がタイトルについているポジションは、どのレベルの研究ができるかが様々で、

  • 製品なりサービスの研究開発
  • 国内会議に投稿
  • (あんまりこの表現好きではないんですが)最難関国際会議に投稿

などのバリエーションがある印象を持ちました。自分は一番最後で探していました。

この辺りの認識は人事の方、社員の方、役員の方で認識がずれている印象があり、こちらが「(国際会議に投稿できるような)研究できますか?」と聞くと、人事等の方は「(製品なりサービスの研究開発として、あるいは、国内会議をターゲットとして)できます」ないし「(チャレンジは)できます」と答える印象があり、技術・研究系の上の方の役員の方になると「(国際会議に投稿できるような)研究は難しいです」と言っていただくことが数回ありました。私の聞き方が悪かったと思います。

前準備

就活については Career Skills をざっと読みました。20章について読むと Linkedin のヘッドハンティングが誉めてきても、むやみに期待しなくなるのでおすすめです。

コーディング課題の勉強も少しした時期がありましたが、研究職度合いが強いほどエンジニアリング的な質問は聞かれない傾向があったのと、フルタイムの半分くらいは書類で落ちており、インターンはほぼ書類で落ちていたのでコーディング課題解いたのは、フルタイム・インターンの応募した中の全体で2社でした。

外部リクルーターについて

ここでは、head hunting の会社とか、特定の企業の人事に良さそうな候補者を紹介する人たちを指します。主に LinkedIn で DM を送ってくる人たちの大半が該当する気がします。Career Skills によると、この方々は、依頼を受けている企業に人材を紹介し、もしその企業が紹介された人材を採用した場合、採用された人の年収等を基準に企業から報酬を受け取るらしいです。このため、この人たちが利益を最大化する戦略としては、たくさんの人に依頼を受けている企業に応募してもらうことだと思っています。

それを考慮すると以下のことは、その外部リクルーターにとっては、理になかっているのかもしれません:

  • Recruiter (以下R): LinkedIn で 会社L のポジションを紹介される
  • nzw: カジュアル面談のために CV を送る。会社Lの人たちと面談、卒業時期が確定していない旨を伝える。
  • R: 応募することをnzwに勧める。選考に必要な論文5本の提出をnzwに依頼
  • nzw: 論文リストをRに渡す (09/09/2021)
  • 会社L: nzwの不採用を R に伝える (24/09/2021)
  • R: なぜか不採用を nzw に伝えない
  • nzw: 論文が国際会議に通ったので、会社L に伝えてもらうように R に頼む (30/09/2021)
  • R: :↑のメッセージに 👍 をつける (30/09/2021)
  • nzw: 選考がどうなっているのか R に確認 (09/11/2021)
  • R: 「タイミングを改める必要があるかもしれない」
  • (音信不通)
  • nzw: 会社L の担当者に問い合わせ (09/02/2022)
  • 会社L: 「24/09/2021 に不採用であることを R に伝えてあります」

この他にも、LinkedIn では、CV を吸われただけ(よくある)、こちらの返事を無視される(よくある)などの経験ができました。

会社の人事

この人たちもぜひ応募してほしいと言ってくださることがあるのですが、カジュアル面談・書類の時点でわかっていることを理由に書類・面接後に落とされることがあり、あまり信じなくなりました。推測ですが、ある程度の数の候補者をプールするためには、応募してもらうしかないので、このようなことになるのだと思います。選考を受ける側としては、企業の方に受けて欲しいと言われて書類を提出したら面接もなく落とされるわけなので、気持ちの面で厳しかったです。

LinkedIn でも、まれに会社の人事からメッセージをいただくケースがあり、そちらは流石にやりとりがスムーズでした。ただし、「フォローアップを今度します」と言われてから、連絡が途絶えるケースが多く、面接を受けたケースはありませんでした。

内定先はどうやって見つけたか

上記のように LinkedIn の外部リクルーターで謎対応されてたり、インターンの面接後になんとかforceの研究者の「研究に insight がない」というありがたいフィードバックを HR の方から間接的に聞かされたりしたので、Twitter に「就活なんもわからん」と書いたら、会社を紹介していただいてエントリーしました。本当にありがとうございます。